犬の熱中症・肉球の火傷とは?原因と対策!
7月に入り、蒸し暑い日も増えいよいよ夏本番となりましたが、皆さん体調を崩されてはないですか?
今日も東海地方の最高気温は30℃を超えるそうですね・・暑さに負けないよう体調管理には十分お気を付けください。
さて、この時期になると熱中症や肉球の火傷で来院するわんちゃんが急増します。
人間と同じように、わんちゃんの体調管理もしっかりとしてあげましょう!
犬の熱中症・肉球の火傷の原因
真夏のアスファルトやマンホールにご注意を!
人間には汗腺があり、汗をかくことにより熱を放出できますが、犬は肉球で汗を出すしか体温調整する方法がありません。
人間にはちょっと暑いかな?と感じる程度でも、わんちゃんにとっては暑さを感じやすく口から舌を出してハァハァと息をしながら体温調節をします。
夏場のアスファルトは昼間だと50℃を超える熱さになっており、わんちゃん達は人間よりも身体が地面に近いためその影響は大きく、ダイレクトに地面からの放射熱を受けることになります。
また熱中症だけでなく、この熱いアスファルトやマンホールの上を歩くと、わんちゃんの肉球が火傷をしてしまう原因にもなるのです。
わたしたち人間は普段靴を履いて過ごしているので気付かないかもしれませんが・・
例えば、真夏の炎天下で屋外のプールサイドや、川の石の上を裸足で歩き焼けるような熱さを感じた経験はありませんか?
普段、熱い地面を歩くわんちゃん達の辛さが想像できるかと思います。。。
これからのシーズン、わんちゃんと一緒にお出かけする機会も増えるかと思います。砂浜やコンクリートのベランダなどでも火傷をする危険性があるので十分注意が必要です。
冷房や換気のない室内や車内でのお留守番に注意!
最近、わんちゃんの熱中症に多いのが車内でのお留守番です。
日差しの強い駐車場でエアコンをつけずに停車した車内は、熱がこもりやすく温度が急上昇します。そのような車内では、たったの数分で熱中症になってしまいます。
エアコンの代わりに窓を開けても安心はできません。換気が十分でないうえに不慣れ車内でのお留守番に興奮すれば、わんちゃんの体温も急上昇することがあります。
閉め切った室内でのお留守番
エアコンをつけていない室内でのお留守番も熱中症の原因となります。
閉め切った室内では想像以上に室温が高くなります。
カーテンを閉めずに直射日光が室内に入り込む状態や、ケージの中に入れたままで自分で涼しい場所に移動できない状態でのお留守番は、その危険性が高くなります。
エアコンをつけているからと言っても油断してはいけません。日の当たる場所にケージを置いていてはエアコンの効き目が弱くなります。
真夏に屋外で過ごす時は
炎天下の中直射日光のあたる屋外で過ごしたり、繋留する場合も熱中症の原因となります。日陰のないコンクリートの上など、照り返しの強い場所は特に注意が必要です。
お散歩に行くならこの時間!
朝のお散歩はできるだけ7~8時頃までに、夕方のお散歩は日が沈んでからにしましょう!
真夏になると早朝から気温がグングン上がり日が沈んだ後でもアスファルトに熱が残っています。大丈夫かな?と思ったら手のひらよりも温度を感じやすい手の甲で触ってみて、熱いと感じるようならお散歩に行くのは止めておいた方が良いでしょう。
また、いつもよりも少し時間を短めにお散歩をしてあげると良いですね。
真夏のお散歩コース
公園などはお散歩コースとして最適!
土や芝生、草の多い場所や、日陰の場所など温度の上がりにくい場所を選ぶと良いでしょう。
お散歩から帰って来たら・・
お散歩の後は足の汚れをしっかりと拭き取ってあげましょう。
肉球は唯一汗腺があるので、水分や湿気が残っていたり、汚れが残ったままだと炎症やかゆみの原因にもなります。汚れを拭き取った後はしっかり乾かしてあげましょう。
肉球のケガや火傷を放置したままにしておくと、そこでバイ菌や雑菌も繁殖し、状態が悪化してしまう恐れがあります。
ケガや発熱、腫れなどの症状がある場合はすぐに近くの病院へ受診することをおすすめします。
熱中症の症状
- 急激に体温が高くなり、よだれを大量に出す
- ハアハアと息苦しそうにしている(呼吸が浅く速い)
- 目が充血したり、耳の内側や口の粘膜が赤くなる
- ふらつき
- 虚脱・嘔吐・下痢
熱中症の症状が出た場合の応急処置
とにかく冷水をかけて体を冷やしてください。落ち着いたら早めに近くの病院へ
一刻も早く体を冷やし、水分補給をすることが大切です。
涼しい場所に移動させ、水が飲める状態であれば、水をたくさん飲ませて水分補給をする必要があります。冷水で濡らしたタオルや保冷材を頭や脇の下、内股の付け根に挟み込んだり、お風呂場や流し台で体全体に冷水をかけても良いでしょう。うちわで扇いだり、扇風機で冷やすのも有効的です。
急いで体温を下げることが重要ですが、体温の下げすぎにも注意してください。体温測定をし、39℃まで下がったら一旦冷やすのを止めて、早めに病院に連れて行きましょう!
体温が下がり状態が落ち着いたからと言って油断は禁物です。
見た目が平常に戻っても体内の循環器や臓器がダメージを受けている可能性がありますので、必ず動物病院で診察を受けてください。
体温は大きさや体格で個体差がありますが、平均体温は小型犬の場合、38.6℃~39.2℃、大型犬の場合は37.5℃~38.6℃です。健康な状態の時に、愛犬の体温を定期的に測る習慣をつけておくと良いかもしれませんね。
体温の測り方
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体温計にラップを巻いておくと後の処理が楽です。
そのままだと肛門に入れにくいため、水で少し濡らすか、ワセリンやベビーオイル、オリーブオイルなどを塗るとスムーズに測ることができます。 -
わんちゃんの尻尾の付け根を掴んで上にぐいっと持ち上げてみましょう。自然と肛門が開きます。
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体温計を肛門に3~5cm程入れて、抜けないように犬の体を固定しながら体温を測ります。
※人用の体温計でも代用できますが、ペット用の体温計を使われた方が安全だと思います。
ガラス(水銀)の体温計は割れると危険ですので止めておきましょう。
わんちゃんの熱中症対策
室内で留守番させる場合
風通しを良くさせるか、カーテンを閉めてエアコンをドライなどにして室温が上昇しないように心がけましょう。
ケージの中に入れる場合は設置場所に気を付けること。
温度の高い窓際や、冷気が直接当たる場所は避けましょう!
エアコンの故障など万が一の場合に備えてクールマットを置いておくと良いかもしれませんね。また、十分な水分補給ができるよう飲み水の量と置き場所にも気を付けてあげてください。
わんちゃんと一緒に車でお出掛けする場合
車内にひとりで留守番させないようにしましょう。どうしても飼い主さんと同伴できない場合は、日陰や風通しの良い場所を選んで繋いでおきましょう。その際は必ず誰かがそばについてあげるようにしましょう。
屋外で過ごす場合、または外飼いのわんちゃん
炎天下での激しい運動は避けた方が良いです。
外飼いをされているわんちゃんには、日除けを設置するなど直射日光を防いだり、日陰の涼しい場所を選んであげましょう。
特に熱中症になりやすい犬種や特徴
- シーズー
- チン
- ペキニーズ
- フレンチブルドッグなど
特に短頭種と言われる鼻の短い犬種には注意してください。
体の構造上スムーズに呼吸がしづらく、暑くなるとさらに悪化してしまい熱中症になりやすいと言われています。
太っている子や仔犬・老犬、心臓の弱いわんちゃんも要注意です。
動物たちは言葉を話しませんから、「暑い」「痛い」を気付いてあげられるのは飼い主さんのあなただけなのです。
わんちゃんの気持ちになって暑さ対策をしてあげましょう。これからさらに暑い日が続きますが、人間もわんちゃんも、一緒にこの暑い夏を乗り切りましょう!