ネコちゃんも危険!?猫の熱中症と暑さ対策!真夏の閉め切った室内は要注意!
こんにちは、大垣南どうぶつ病院の早崎です。
猛暑が続いていますが皆様お元気でお過ごしですか?
さて、前回わんちゃんの熱中症対策についてお話させていただきましたが、
このところ、当院では熱中症で運ばれて来るネコちゃんが急増しています。
これからお盆に入り帰省される方もいらっしゃるかと思います。
帰って来たらぐったりして弱っていた・・なんてことがないように、家を空ける時はネコちゃんの暑さ対策も万全にしてあげてからお出掛けください。
猫の熱中症の症状
- ぐったりしている
- 呼吸が荒い、口を開けて呼吸している
- 食欲がなくなる
- よだれが多く出る
- よたよたと歩く
- 下痢・嘔吐
- 痙攣
※熱中症がさらに進行した場合、最悪の場合ショック症状を起こし死亡することもあります。
応急処置
上記の症状が見られる場合は、体温を下げてあげることが肝心です。
その時に急激に冷やすことは避け、まずは涼しい場所に移動させましょう。
うちわで扇いだり、嫌がらなければ少し水をかけてあげてください。体温で39℃になるまで、四肢の付け根に保冷材や氷をタオルで巻いたもの当ててあげましょう。そしてできるだけ早く(症状が出たら1時間以内がベスト)行きつけの動物病院に連絡を取って指示を仰ぎ、診察を受けましょう。
熱中症の原因
- 気温30℃が続く
- 湿度が60%以上
- 風通しが悪い
熱中症にならないための予防と対策
外気温にもよりますがエアコンの温度を28℃~30℃かドライモードに設定しておくと良いでしょう。
暑すぎても、寒すぎてもダメ!
冷房が効きすぎて体調を崩すことがないよう、高めの温度で設定しましょう。
猫ちゃんは体温調整があまり得意ではないので、暑過ぎる環境下や、また冷房が強すぎるような室内にいると体調を崩してしまいます。
エアコンが効きすぎて寒いということもありますので、ダンボールハウスなど、エアコンをつけない部屋をつくったり、毛布を置いておくなど、猫ちゃんが快適な温度の場所を見つけられるように工夫してあげると良いですね。
※扇風機の付けっぱなしはやめておきましょう。手足を入れて怪我をする恐れがあります。
水を十分に用意してあげましょう!
水をひっくり返してしまうことがありますので、複数個所に水を置いておくと良いでしょう。
水道の蛇口をほんの少しだけ出しておくのも良いかもしれません。
万が一の事故などに備えて「涼しい場所」を確保してあげましょう
エアコンを付けているからと言って安心はできません。お留守番中、真夏にエアコンが停電などで停止してしまうと、風の流れない閉め切った室内の温度はぐんぐん上昇し熱中症になる危険性が高くなります。
ドアを開けておき、自由に行き来ができるようにしましょう。
猫ちゃんが暑い夏よくいるのが玄関のタイルやコンクリート、廊下、お風呂場などです。
自由に涼しい場所を探して行き来ができるようドアを開けてあげましょう。
家の外で飼っている猫ちゃんの場合は、自分で涼しい場所を見つけて避難することができますが、室内で飼育している場合にはそれができない場合もありますので、特に注意が必要です。
室内で飼っている猫の暑さ対策として、風通しの良い場所や、寝転がって涼むことができる場所を作ってあげることが有効です。
風の通りがよく、エアコンを付けて行かなくてもネコちゃんが快適に過ごせる場合は風でドアが閉まり、密室に閉じ込められることがないよう、ドアストッパーを使うなどして十分気を付けてあげてください。
「暑さ対策グッズ」を利用しましょう!
最近では様々なメーカーから、暑さ対策専用の商品も販売されています。
ネコちゃんの性格を考慮して、その子に合ったグッズを用意しておいてあげると良いでしょう。
※例えば噛み癖のあるネコちゃんには、冷却ジェルや保冷材の入ったクールマットなどは不向きです。
↓我が家のじんちゃんは何でもガリガリと口にしてしまうため、この夏、ひんやりアルミプレートを買いました!好んでいつもこの上で寝ています。
ワンルームマンションで猫を飼育されている方
特に最近はひとり暮らしの方が猫を飼われるケースが多く、日中は仕事などでどうしても家を空けなければいけないことも多いかと思います。
真夏にネコちゃんをひとりでお留守番をさせるのは不安ですよね?
エアコンで室内温度を調節する以外に、室内のカーテンを遮熱カーテンに変えたり、キッチン・お風呂場・トイレの換気扇を回し、空気を循環させておくのも一つの方法です。
防犯に問題がなければ、キッチンやお風呂場などの窓を開けておくと良いでしょう。窓を少しだけ開けたままにできる防犯グッズもあるかと思いますので一度探してみてください。
そのほかに注意すること
脱走に注意!
道路に飛び出して事故に遭うことのないように十分注意してください!
窓を開けて網戸だけにする場合は、網戸ストッパーなどを取り付けて、猫が網戸を開けられないようにしてください。また最近では網戸の網も、頑丈な針金でできているタイプがありますので、網戸をよじ登る猫ちゃんの場合は、網を張り替えるなどした方が良いでしょう。
お風呂場のドアを開けて行かれる場合は、必ずバスタブの水を全部抜いてください。
足を滑らせ落ちてしまう危険性がありますので注意しましょう。蓋を閉めていても飛び乗って溺れてしまう危険性もありますので必ず水は抜いて出掛けるようにしましょう。
狭いキャリーケースの中も要注意!
夏の蒸し暑い日に、狭いキャリーケースに入れたまま移動する場合も熱中症の原因となります。
キャリーケースの中は思った以上に狭く、熱がこもり蒸し暑くなります。キャリーケースのなかでストレスを感じたり、不慣れな場所への移動に猫が緊張すれば、体温が急上昇することがあります。
猫の体よりも一回り大きいキャリーケースに入れてあげるか、または、保冷剤や凍らせたペットボトルをタオルでまいたものを一緒に入れると良いです。
わずかでもエアコンの効いていない車内に置いていくのは避けましょう!
エアコンの効いていない車内の気温は非常に高く、簡単に熱中症になってしまいます。ひとりで車内に置いていくのはやめましょう。
どんな猫が熱中症になりやすい?
つぶれた鼻が特徴の猫種
体の構造上、鼻腔が狭いと、熱の発散がしにくくスムーズな呼吸がしづらいので熱中症になりやすい傾向があります。
- ペルシャ
- スコッティッシュ
- ヒマラヤン
- エキゾチックショートヘアなど
体が大きい猫や太っている猫
肥満気味の猫は、皮下脂肪が断熱材となって、体に熱がこもりやすく、心臓にも負担がかかる恐れがあります。そのうえ、かなり太っている猫の場合、首まわりの脂肪によって気管が圧迫されたり、内臓脂肪で胸腔が狭くなっていたりと呼吸機能が低下しがちなので、呼吸による体温調節が難しく、熱中症になりやすい傾向があると言われています。
長毛種
長毛種の猫や北国育ちの猫の毛には保温効果があるため、暑い日には熱を籠らせる原因になります。そのため、ブラッシングやシャンプーをして冬毛を除去してあげるだけでも、かなりの効果が見込めます。
- メインクーン
- ノルウェージャンフォレストキャットなど
(※その他の猫種でも肥満猫・長毛種には注意が必要です。)
仔猫や高齢猫
身体の生理機能が未発達、または衰えていることがあり、体温調節ができないため暑さに弱く熱中症になりやすいと言われています。また、高齢になればなるほど熱中症の症状に気付きにくいのです。
以上、ネコちゃんの暑さ対策についてまとめてみました。
夏の暑さに耐えられないのは人間だけではありません。
人間の熱中症のニュースはよく耳にしますが、動物の場合ニュースになることはないため、
「うちの子は大丈夫」と思われる飼い主さんが多い様です。
熱中症は飼い主さんが予防することで防ぐことができます。悲しい事故が起こらないよう安全な場所を作ってあげるのも飼い主の責任と言えるのではないでしょうか。
是非この機会に愛猫のためにできることをしてあげましょう!