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獣医のブログは、これまでに私たちが経験してきた様々な体験談や、愛するペットとの生活を今後も楽しんで頂くために、私たちの知識を書き綴っているブログです。

ノミ・マダニの危険性!予防と対策

ノミ・マダニは室内で飼育している場合でも、少しのお散歩で簡単に寄生し繁殖してしまいます。ノミやマダニが寄生すると痒いだけでなく、様々な病気の媒介もします。近年、テレビや新聞で話題の「殺人マダニ」による死者が日本国内で発生しているのをご存知ですか?

ノミ

体長1mm~3mm程度ととても小さく、猫や犬の体表に寄生し、被毛も間を素早く走り回ります。体表上で産み落とされたノミの卵はツルツルとしていて滑らかなため、落下し幼虫になった後、ソファやベッド、カーペットの間に入り込みます。

ノミは気温が13℃あれば寄生・産卵を繰り返すことができるので、寒い冬の時期だからと言って安心はできません。暖かい室内や、暖かいペットの被毛に隠れてノミは生き続けます。

ノミ チェック!

  1. 草むらが大好きなワンちゃんや、外に出かけるネコちゃんは時々毛をかき分けて見てあげてください。
  2. ノミの動きは非常に速いため見ただけではわからないこともあります。まずはノミの糞がついていないかチェックしてみてください。被毛に黒い小さな粒にようなものがついていれば、それを湿らせたティッシュの上に置くか、軽く拭き取ってみてください。
    赤色(※吸血した時の血液の成分の色)が滲んできたらそれはノミの糞です!
  • 皮膚に赤い湿疹ができている
  • 被毛に黒い小さい粒のようなものがついている
  • 最近体をよく掻くようになった

ひとつでもあてはまる場合は要注意です。

 マダニ

マダニは他のダニと比べ体が大きく、2mm~3mm程あり肉眼ではっきりと見ることができます。

驚くのは吸血後の大きさで、なんと100倍くらいの大きさにまで膨らむのです。

「殺人マダニ」とは

マダニを介して、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」と呼ばれる感染症に感染します。これはヒトにも感染する怖い感染症で、西日本ではこれまで53人が感染し、発熱や出血などの症状を訴え21人が死亡しました。

このウイルスを持ったマダニが北海道から九州まで23道府県で見つかっています。現在このウイルスに有効なワクチンや確立した治療方法はないと言われていますので、予防することが何より大切なのです。

殺人マダニはどこに生息しているのでしょうか?

マダニは山間部の草むらだけに生息していると思われがちですが、実はわたしたちの身近な場所にも生息しているのです。湿気の多い草むらならどこにでもおり、これからの季節お散歩する時には特に注意をしなければいけません。

マダニはノミと違い飛び跳ねて寄生することはなく、草の葉の先端で犬や猫などの動物が通る機会をじっと待ちます。ノコギリのようなくちばしを使い、頭や耳などの皮膚の薄い場所を狙い差し込んで寄生するのです。

 

ノミやマダニは絶対に手でつぶしたり、取ったりするのはダメ!

よく飼い主さんで、見つけたら手でつぶしたり取ったりする方がいますが絶対に止めてください。

大量に寄生したノミ・マダニを全部素手で取ることは不可能ですし、マダニは口から出ているノコギリのような突起を差し込んで体を固定します。無理に取ろうとするお突起の一部がワンちゃんの体に残ることで皮膚炎を起こす恐れがあります。

ノミの体の中には条虫を呼ばれる寄生虫の幼虫がいることもあります。つぶした手を万一口に運んでしまったら、前述のようにウイルス感染sるの恐れもあります。

ノミ・マダニの正しい予防法

ノミ・マダニ対策⓵

ノミの場合

湿気の多い部屋を好むので出来るだけ換気をして部屋の中を清潔に保つことが必要です。

ワンちゃん、ネコちゃんがいつも寝ているカーペット、ソファ、ベッドなどノミが潜んでいそうな場所は、洗ったり干したり、また熱に弱いので高温スチーマーなどを使って除去するのも良いでしょう。

 マダニの場合

出来るだけマダニがいそうな草むらには連れて行かない方が良いでしょう。

お散歩から帰ったらまずワンちゃんの体(※特に頭や目のふち・お腹・足の指)をチェックしましょう。

ノミ・マダニ対策⓶

部屋を清潔にしたりシャンプーをするだけでは完全な対策とは言えません。

既に寄生してしまったノミのライフサイクは早いですし、シャンプーをしても洗いにくい頭や顔に逃げてしまいます。

また、マダニの場合、お散歩が好きなワンちゃんに、草むらなどに完全に地被かせないというのは現実的には難しいと言えます。

そこで、ノミやマダニから守るためにお薬で予防する必要があります。

お薬には「背中に滴下するタイプ」と「おやつタイプ」薬がありますが、どのお薬が合っているかは獣医師にご相談ください。

人間がマダニなどを外から持ち帰ってしまうこともあるので、室内飼いだからと言って安心はできません。夏の時期はもちろん、暖房の効いている屋内では冬でもノミは生き続けます。

年間を通じて予防する必要がある場合もあります。

大切な家族の一員であるワンちゃん・ネコちゃんの健康を維持するために、フィラリア予防以外にも「ノミ・マダニ」といった外部寄生虫からも予防する必要があることをぜひ知っておいてください。

 

 

 

 

 

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